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四国八十八ヶ所霊場出開帳

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四国八十八ヶ所霊場出開帳

「出開帳(でがいちょう)」とは、寺の本尊をよそに出して開帳すること。「出開扉」ともいう。
四国八十八ヶ所霊場の出開帳は、最近では平成25(2013)年に行なわれたが、その前の出開帳は、昭和12(1937)年だった。

主催:四国八十八ヶ所霊場出開帳奉讃会
後援:大阪毎日新聞社、南海鉄道株式会社
日時:昭和12(1937)年5月5日-6月16日(43日間)
会場1:遠州園(大阪府泉大津市) 徳島県の1番札所から高知県の39番札所まで、39札所の出開帳
会場2:金剛園(大阪府大阪狭山市) 愛媛県の40番札所から香川県の88番札所まで、49札所の出開帳

会場は2か所にわかれているが、四国八十八ヶ所の霊場を1日で回ることができる、いわば“手軽なお遍路”であった。
集印帖No.20には、この出開帳の時の印が押印されているが、愛媛県の49番札所から香川県の88番札所の印なので、金剛園で押されたようである。

図1 四国八十八ヶ所霊場出開帳パンフレット


図1は、四国八十八ヶ所霊場出開帳奉讃会の会員募集のパンフレットである。奉讃会の会費は、南海電気鉄道の出発駅により異なっている。また、会員の特典として、次のように書かれている。

  • 御納経帳(四国霊場各札所住職御自筆印刷)
  • 巡拝乗車券(南海電車出開帳場所一往復)
  • 御納経割引券(御納経料は八十八ヶ所全部の御札所で金二円五〇銭となって居りますから割引券に此の料金を添えて納経券「切取式小冊子」と左記で御引換下さい)
    • 奉讃会事務局
    • 難波駅
  • 御回向券(会員各家の御先祖の御回向を致しますから本券へ御記入の上御巡拝の際任意の御札所へ御納め下さい)

このうち、当方は御納経帳を2帖もっているが、いずれも京都の津久間金龍堂によるもので、表面48ページ、裏面46ページ、外包つきである(図2)。
特典にも書かれているが、各ページには各札所の本尊や寺院名の墨書きが印刷されていて、その上に印が押せるようになっていた(片方の御納経帳には、さらにその上に御影札が貼られている)。

図2 御納経帳 外包、表紙、1番札所霊山寺



また、御納経帳には図3のような間紙が挟まれていた。そこに書かれた広告をみると、四国八十八ヶ所の巡拝用の掛軸もあったようである。

図3 間紙


 参考文献

五寶山人. 四國靈場出開帳巡禮雜記. 六大新報, 1937.6, 1723号, p.7-8.
森正人. 「空前絶後!」四国八十八ヶ所霊場出開帳--スペクタクルとしての巡礼と巡礼空間の生産. 人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要, 2005, 22, p.A65-A80, 0289-7253, http://hdl.handle.net/10076/2008 .
四国遍路の近現代 : 「モダン遍路」から「癒しの旅」まで. 森正人著. 創元社, 2005. 4-422-25041-8.


2020年7月28日作成 [寺と神社]

最終更新時間:2020年08月07日 20時41分50秒